4月19日に開催されたアクセシビリティキャンプ東京#1に参加してきましたので、そのレポートでも書きます。
当初は、アンカンファレンス形式と聞いていたのですが、当日は、参加者がグループにわかれて、あるテーマに基づいてディスカッションするという形式でした。そのテーマが下記です。
- 首相官邸を採点する
- スキップリンク
- フォームのエラー通知
僕はスキップリンクのグループに入って、スキップリンクはいるのか、というディスカッションに参加させていただきました。このグループのモデレーターは、WAICの植木さんでした。ちなみに、「首相官邸を採点する」のモデレーターは、bAの大田さん、「フォームのエラー通知」のモデレーターは、Googleの小久保さんでした。
まず、植木さんによる「スキップリンク」についてJISやWCAG2.0の原文と解説書と技術書でお浚いからはじまりました。
2.4.1 Bypass Blocks: A mechanism is available to bypass blocks of content that are repeated on multiple Web pages. (Level A)
2.4.1 ブロック・スキップ: 複数のウェブページ上で繰り返されているコンテンツのブロックを通過できるメカニズムが利用可能である。 (レベル A)
原文では、Bypass Blocksと、日本語訳ではブロックスキップと書かれています。ゆえに
そして、スキップリンク(正確にはブロックスキップになると思うのですが)を提供することによって下記のユーザーにとってメリットがあると解説書に書かれています。
- スクリーンリーダー
- キーボードユーザー
- 画面拡大を利用しているユーザー
また、この達成基準を満たすための実装方法は下記になっています。これも解説書に書かれています。
- スキップリンクを提供
- 見出しをマークアップ
そもそもスキップリンクって要らないんじゃないの、というのが多くの人が思っていて、ここからディスカッションが本格化されてきました。そのディスカッションででた意見のメモです。
スクリーンリーダのユーザ向け
- UAが見出しジャンプ機能を持っている
しかし、実装されているのはOperaのみ、Firefoxはアドオンを入れることによってその機能を持つ
- リンク先が間違っていたり、スキップリンクとして機能していない
- 多くのスクリーンリーダーは見出しジャンプの機能を提供されている
見出しジャンプの機能があることを知らないユーザーもいるのでスクリーンリーダーユーザーのスキルレベルにもよる
- ブロックスキップは、アクセシビリティというよりも、ユーザビリティなのでは?
- ユーザーが実際に使える(使いこなせる/使い方を知っている)かどうか視点も必要
- スキップリンクは実際に使われているのか?
スキップリンクはマジ便利と言っているブログを見たことがあるとのこと
キーボードを使っているユーザ向け
時間がなく、キーボードを使っているユーザ向けの議論はそれほどできませんでしたが、下記がそのメモ
- キーボードを使っているユーザーにとってスキップリンクは必要なのか?
- 標準ブラウザのままで使っている人がどれだけいるか?
という感じで、スキップリンクのグループのディスカッションは終えました。結局、必要なのか不要なのかという結論はでませんでしたが、多くの人が不要と感じているのは間違いありません。個人的な意見としては、スキップリンクは必要ないと感じています。サイトに持たすのではなくUAに持たせる機能、スキップリンクはユーザビリティと感じているからです。しかし、キーボードを使っているユーザーには、スキップリンクではなくともTabキーでひとつひとつのリンクをフォーカスせずに済むように、クリックしたいリンクを一発で開けるような機能が必要だなぁと感じています。そういう意味で、accesskey属性はひとつの解決法だと思っていたのですが、ブラウザによって実装が統一されていないという残念な感じで忘れ去られた存在となっていますね。ある程度、キーの値が標準化されていたら、それなりにユーザビリティも向上していたではないかと思う今日この頃です。
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